蔵王いこいの里

\ 身内だけで悩まず、まず相談を /

設立趣旨(目的)書

1 趣 旨


 ニートといわれる若年無業者の人口は100万人にのぼるとも言われる。さらにはアルバイトをしても長続きしない若者も多く、経済的に自立できていない若者の数は増加の一途をたどっている。また、将来の「ニート予備軍」とも言える小・中・高校生の不登校、引きこもりの児童、生徒数においても、ここ数年一時的に減少傾向であったものの、昨年18年度にはまた増加に転じたとの報道がなされている。少子化により児童、生徒数そのものが減少しているにもかかわらずである。


 こうした現在の社会情勢を鑑みるに、今後数十年において彼らのようないわゆるニートや引きこもりといわれる若年未就労者の数は、大変残念なことではあるが増加蓄積の一途をたどるものと判断せざるを得ない状況である。


 われわれ蔵王いこいの里は、1986年に任意団体として発足以降、20余年に亘り不登校や引きこもり、薬物依存や家庭内暴力あるいは障害等により社会的自立が困難な状況にある青少年達と関わってきた。その数は実に400名を超える数となっている。


 彼らはこの蔵王の豊かな自然の中で、親から離れた場での共同生活を通じて、規則正しい生活習慣を身につけ、自己を見つめ直し、集団の中での協調性、円滑な人間関係の構築の仕方等を習得する。また農作業や土木作業などの共同作業や、ここ蔵王ならではのスポーツであるスキーを通じて肉体的にも社会人として十分に通用する体力を獲得した。

彼らは次第に自らの目的を見いだし、地元の学校へ通う者や通信制高校の卒業を目指す者、あるいは地域の方々による協力の下、アルバイト等の就労訓練により社会的自立を目指す者など、それぞれの個性や状況に応じた様々な形で社会復帰を果たしている。残念ながら全ての青少年が自立や社会復帰を果たせてきた訳ではないが、正確な統計はないものの、あえて数字にするならばそのおよそ8割の青少年達が、復学や就労などの理想的な形でこの蔵王を巣立っていったと推測される。


 このように20年以上に亘るわれわれの活動を顧みても、その活動が極めて社会的意義と貢献度の高いものであることは論を待たない。今後数十年においても、われわれのような活動団体が更に社会的ニーズの高い存在となっていくことは想像に難くない。

しかしながらこの社会的ニーズの高い、意義のある活動であるにもかかわらず、そのスタッフの賃金は社会一般的平均から見て著しく低額であり、個々のボランティア精神無くしては成り立たないのが現実である。また、その社会的意義の重要性からみて、今後も従来のような任意団体組織のまま活動を続けていくことは、団体の社会的認知度や地位の向上、優秀なスタッフの安定確保、官民双方からの活動資金提供への対応、そして今後更にニーズの多様化に伴う多方面への活動の拡大や円滑な組織運営の長期的継続といった観点から考えるに、既に限界であると言わざるを得ない。

以上のことに鑑み、私たち設立発起人、蔵王いこいの里経営者とスタッフ、及び蔵王いこいの里の活動に賛同する一般関係者有志は、ここに「特定非営利活動法人東北青少年自立援助センター」を設立することに同意した。不登校や引きこもり、ニートなど社会参加できない青少年の問題は日本の未来に関わる重要な問題である。

次世代を担うべき多くの青少年が、社会に出られず家に引きこもったまま、明日への希望もなくただ悶々と日々を無為に過ごしているという現実に対して、社会が何もせずに放置しているということは、道義的にも、また社会的、経済的損失の観点からも、到底許されるべきものではあるまい。

われわれはこの法人が設立された暁には、全国から数多くの会員、賛助会員がこの趣旨に賛同され、また地域の方々や様々な機関とも協力・協同して活動していくことで、より多くの日本の将来を担うべき若者に対する自立支援、就労支援を行うことが可能となり、これをもって社会全体に対し、ひいては日本の将来に対しても微力ながら貢献ができると確信するものである。

2 申請に至るまでの経過


  平成19年5月10日    有志により特定非営利活動法人申請を決定。
                  設立準備委員会発足
  平成19年6月13日    第1回設立準備委員会
  平成19年8月15日    第2回設立準備委員会
  平成19年9月17日    第3回設立準備委員会
  平成19年10月7日    法人設立社員総会

 平成19年10月15日

特定非営利活動法人東北青少年自立援助センター
設立代表者 住所 福島県郡山市細沼町7番11号
 氏名 岩川 耕治 

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