自立に向けての基本的な考え方
【基本理念】
社会の荒波を生き抜くための
「真の生きる力」を身に付ける
【まず初めに】
『ウチの子が帰りたいと言っているので引き取りに来ました』 長い時間をかけ苦労して入寮まで漕ぎ着けたほんの数日後に、こうして何のためらいもなくそれまでの努力を無駄にし将来への希望を投げ捨てる理解に苦しむ保護者の方が稀にいます。
当施設は将来ある自己又は我が子の未来を本気で憂い、現状からの変化を求め人間的に大きく成長し、社会に必要とされる存在へと飛躍したい、或いはさせたいと真剣に考えている方々を支援する施設です。
従って、これまでと同様に当事者の泣き言や稚拙な要求を無条件に受け容れるような、危機感と固い決意と覚悟を抱けない保護者の方は、当施設への関与をご遠慮願います。私達は若者達と毎日真剣勝負しているのです。
保護者の方が我が子と本気で向き合い続ける限り、私達は決して見放しません。
『5W1H』で考えてみよう
【今のままのあなたで良い?】 why
巷のカウンセラーや多くの支援者がよく使うこの言葉。
希望や勇気、自己肯定感を持たせるためのこの言葉も、当事者や保護者に時に都合よく解釈され不可解な状況を方々で生み出しています。
人格や存在そのものの否定など論外ですし、ありのままの当事者を認め受け容れる事は家族や支援者として至極当然の対応方ですが、その事と無為無策で時間を無駄に過ごす事とは全く別物です。状態としては今のままで良いはずがありません。どこかで何かを変える必要があるという現実をまず認識してください。
【変えるべきは何?誰?】 what who
他人や学校、企業組織、社会を変える事は容易ではありません。しかも多くの場合、その思考は徒労に終わり、仮にそこにある相手方の課題や問題を解決しても本質的には実は大きく状況は変わりません。世の中で起きる摩擦や軋轢の殆どは双方に何らかの瑕疵があり、特に人間関係の場合はお互いが歩み寄り妥協点を探る事が最善の解決策なのです。歩み寄るのも人の実力の一つ。
周囲への責任転嫁ではなく、自分自身の中身を変え成長する事が最も早い解決手法であり、尚且つ生産的で自己の円満な人格形成にも繋がり結局は一番現実的で自立への近道なのです。いつまでも他者批判を繰り返す事ほど、人として愚かで惨めな行為は他にありません。
【いつ動き出すべき?】 when
不登校も含めた引きこもりニート支援で、一番議論されまた対応の難しいポイントです。早ければ何でも良いとは限りませんが、引きこもりニート状態が2年以上続き、本人に言葉だけではない、現状を打開するための具体的行動が見られないのであれば、既に十分危険水域と考えられます。
かつて(現在も一部)『受容と共感』一辺倒の支援者やカウンセラーは『待って(見守って)いればいずれ本人が意欲を取り戻し自主的に動き出す』と声高に主張していました。その待ちの姿勢でうまく解決できる事例も確かにあります。しかし大多数の事例にその理屈が当てはまるならば、未だ世の中で増え続ける中高年ニートや引きこもりの存在は、どう頑張っても論理的に説明できません。加齢や時間の経過とともに選択できる解決策が減っていく現実も日々迫ってきます。巧遅は拙速に如かず。将来の自立という『解決』を目指すのであれば、やはり今すぐにでも動き出すべきであるというのが、30年以上この世界を見続けてきた我々の結論です。
【どこで取り組むべき?】 where
これまでとは違った新しい自分に変わる為の取り組みを、自宅、地元で出来るのであればそれに越したことはありません。しかし往々にして自分の描いたようには事を運べないのが現実。
同級生達との関係、近所の人の眼、何よりも親へ甘える事が出来てしまう環境は、しばしば当事者の意欲を挫く、或いは意欲の継続を妨げる要因になってしまいます。
これまでのしがらみとは一切関係のない新天地で、客観的な指導やアドバイスをもらえ尚且つ甘えや依存を戒められる環境の中で自分を磨き、新しい自分に生まれ変われるという希望と意欲を持って取り組む事が、自立に向けた最も理想的な体制であると我々は考えています。
【真の成長・変化の為には何が必要なのか?】 how
単発のイベントや講演会、週一カウンセリングだけで人は本当に変われますか?長年の習慣で身に付いた垢は一朝一夕に落とせません。付け焼刃ではなく真に人が変わる為には、地に足を着け毎日の生活から見直し取り組む事が最良かつ必要不可欠な手段なのです。
生活を共にするから全てが見えてくる
全てが見えるから装飾・ごまかしは通用しない
ごまかせないから自分の現実を認識できる
現実を認識できるから課題が見えてくる
課題が見えるから解決に向かい取り組める
正しい方向性で取り組むから劇的に変わる
だから共同生活は効果が高い・結果が出る
全ては共同生活だからこそ出来る事
【支援目的】
いうまでもなく
お預かりした寮生達の社会的自立
又は学齢期なら将来の社会的自立が円滑に成される事
【支援目標】
社会的自立の為に、共同生活における日々の生活習慣や多種多様な実体験を中心とした活動により、年齢相応に身に付けるべき知識、常識、社会性、忍耐力、体力、経験値等の「ソーシャルスキル」、つまり「生きる力」を習得する事を具体的目標として活動しています。
以下、我々の活動方針と具体的な活動内容を記載しておりますのでご覧ください。