蔵王いこいの里

\ 身内だけで悩まず、まず相談を /

支援活動方針

不登校、引きこもり、ニート、非行という現象は、様々な環境の影響を複合的に受けた表面上の結果。問題の本質は、見た目ではなく生活環境とその心の奥底にあるもの。そして何よりも一番の要因としてストレス耐性の低さも含めた本人の『実力不足』がある事に疑いの余地はない。
ならば自立支援とは表面的現象にばかり捉われず、生活環境を変え根本的原因に踏み込み見つめ直し、自己を正確に認識し集団や社会の中で生きる為の実力を身に付けなければ、『生きる力』の備わった真の意味での自立や就労には結び付けられない。


 全国各地から訪れる小学校高学年~35歳程度までの不登校、引きこもり、ニート、非行、軽度薬物(眠剤・安定剤など)依存、発達障害(ADHD・LD・アスペルガー症候群等)や対人恐怖症などにより、社会的自立につまづき、悩み苦しんでいる青少年の自立・復学・就労の支援を行います。

親元を離れ環境を変えて規則正しい生活を送り、人里離れた蔵王の美しい山々のなかで、仲間やスタッフ、地域の方々と新しい人間関係を築き、移ろいゆく四季の景色に心癒されながら自己を見つめなおし、それぞれの新たな目標と方針を見出そうというものです。

 学生・生徒以外は最終的には『就労』を目的としますが、単に仕事に就くことが目的ではなく、『継続した就労』や『円滑な人間関係の構築』ができるような若者に成長することが最も大切であると考えます。それは不登校や引きこもり、ニート状態に陥る原因の大半が『人間関係でのつまづき』にあるからです。ただ仕事を探すだけならハローワークで出来ます。しかし深層にある真の原因を直視し根本的な対応策を講じなければ、復学や就労はおろか、不登校や引きこもりという表面上の結果に変化をもたらすことなど叶うはずがありません。

 ですから我々は就労や復学という最終的な目標の前に、その前段階における『円満な人間関係を築くことのできる人格形成』と『心と体へのストレスに耐え得る心身の忍耐力』こそが重要であるとの認識の下に活動しております。

 それは結論として、いかに周囲の人とうまく折り合いながら生活できるか、相手を思いやる優しさと強さを持てるか、世の中の『あたりまえ』を当たり前に実行出来るか、という事に行きつくのです。一朝一夕に得られるものではありませんが、集団や社会の中で生きる為に必要かつ求められる要素は、不登校や引きこもり、ニート、非行であっても何ら変わりません。


 表面的な『就労』や『復学』、『進学』などの結果を求める事は簡単です。しかし付け焼刃の支援で得た結果は、やはり時間の経過とともにメッキが剥がれてしまいます。褒める、受容、寄り添い、共感・・・、これらは当然必要ですし、我々も日頃から毎日のように個別に悩み事の相談や細部までにわたるアドバイスや指導、またカール・ロジャーズの説く『共感的理解』をも実践していますが、それだけでは根本的解決にはなりません。

 不登校や引きこもり等の若者への本当の自立支援とは、若者が社会の中で長きに亘り生きる為に必要となる本質的な価値観や人格の部分にまで踏み込んだ対応であり『子育て』『教育』であると確信しています。

 母のように我が子の眼をしっかり見つめ寄り添う優しさと、父のような毅然とした態度や強さ、時には突き放す厳しさが必要です。それら双方合わさってこそ真の「愛情」というものです。美辞麗句はいりません。悩みや苦しみの中にも努力の跡が見られる時は大いに褒め認め自信を植え付け、一方では約束事が守れなかったり言い訳に終始する時は、不登校や引きこもりであってもダメなものはダメだとはっきり言います。

 それは1日数時間、週に数回接触するだけの関係では絶対に成立しません。24時間、365日生活を共にするからこそ見えてくる本人の特徴や個性、様々な言動や出来事が、彼らが抱える問題や課題を浮き彫りにし、そこから初めて適切な対策や改善策に繋がるのです。だからこそ私達は数多くの好結果を生みだしてきた、この共同生活による自立支援を継続しているのです。通所型のフリースクール等よりは相当厳しい対応でしょう。全く分野が別物かもしれません。しかし厳しくとも『世の中のあたりまえ』の対応から目を反らしては、不登校、引きこもり、非行等からの社会的・精神的自立という明確な結果を求める事は出来ません。

 少子化にも拘らず減少しない不登校や、ニート引きこもり者数の高止まりは、時代の変遷とともに、錦の御旗のごとく『受容と共感』ばかりを礼賛し重要視する世の中へと変化し続ける現代社会の風潮が、子育てや教育においてはそれらあたりさわりのない対応では限界がある事を皮肉にも証明してしまっているのです。


『Learning by Doing』 理屈よりも行動と実践経験
今の若者に絶対的に足りない、真に必要なものは
『飢えと寒さの経験』
『バーチャルではない生身の実体験の積み重ね』

自信が持てない、自己評価が低い事は『原因』?『結果』?
そこに保護者が早く気がつき行動出来るかが、不登校や引きこもりのからの早期自立に向けた最大のポイント。


 今や全国各地に公的、民間を問わずどれほどの不登校、引きこもりの相談窓口やカウンセリング機関があふれているでしょうか。そして各学校にもスクールカウンセラーが配置されているこの時代。にも関わらず一向に改善の兆しを見せず、むしろ少子化の中でも増え続ける不登校や引きこもりの実態をどのように考えますか。相談やカウンセリングなど、心のケア、精神的支援は当然重要であり欠かしてはならないものですが、そればかりで本人に大きな変化を求めるには無理があるのです。

 それは、人間とは自らの体を動かしながら活動、行動する『実体験』や『経験』の中からしか吸収、成長する事が出来ない生き物だからです。行動様式の大半を、生まれながらにして備え持つ『本能』によって生きる動物達とは違うのです。社会性や協調性を備え、集団の中で『和』を持って生きる事の出来る人間と動物達との大きな違いがそこにあります。
  ソーシャルスキルも学業もスポーツも職業的スキルも、そして社会的常識や人間関係も、全ては実際に『行動』し失敗も含めた『経験』を積むことでしか何も吸収、会得する事が出来ないのが『人間』なのです。

 『成功体験が少ないから自分に自信が無い』、『失敗体験が多いから自己評価が低い』ことが引きこもる直接の原因とよく言われます。しかし本当にそれだけが原因でしょうか?よく考えてください。それは『原因』ではなく、実は既に本人の『実力不足』を根本的原因とする『結果』の一つではありませんか?『自信と実力』とは如何にして獲得していくものでしょうか?自らの身をもって実際に行動する『実体験』による経験の積み重ねだけが『自信と実力』に繋がるのです。
 不登校や引きこもり、ニートの若者には、共通してこの『実体験』が乏しく、特に不登校や引きこもりが長期に亘っている者は、ストレスに感じる他者との関わりを避け自分に都合の良いバーチャルや空想、自分一人の妄想の世界に入り込み逃避していた時間が長い傾向があります。しかし誰しも必要なのは、現実世界での生身の『経験』や他者との関わり合いであり、失敗を恐れずに挑戦しようとする勇気や、厳しさや辛さを乗り越えた時に得られる喜びと達成感であり、生き続ける限り誰もが感じる幾多の不満や葛藤に対する合理的解決手段を身に付ける事です。逃避によって得られるものは、一時的なかりそめの安心感でしかありません。

 ここでの地道な日々の活動によって得た数多くの実体験が、自らの血や肉となり社会に出て生きていく為の実力(人間力)となります。そして唯一その『経験値』こそが自分への確固たる自信となり、逞しさを身に付け、逃避や自己正当化習慣から抜け出し、結果として不登校や引きこもり、ニートの状態を脱する原動力となり得るのです。大事なのは、まずは『行動を起こす』こと

 特別厳しい事はやっていません。あくまでも世の中では『あたりまえ』に行われている事を日々実行しているだけです。それが私達の支援のスタイルです。

 また当団体には不登校や非行の生徒に特化して関わってきた元中学校教師や、引きこもりに対するカウンセラー資格を持つ者も揃っておりますが、私どもの活動内容はあくまでも実践現場での長年の経験に基づいたものであり、曇りのない眼で若者達を正確に見極め、客観的事実に対して正面から向き合い真摯に対応するものです。従って、うわべだけの有資格者をそろえて支援の充実を謳っているような、活動の実態が曖昧でいい加減な団体でないことだけはお約束できます。見学や視察など、いつでもご来訪頂きご自身の眼で我々の現場を確かめて頂ければ幸いです。私達は不登校や引きこもり、非行などの様々な事情を抱えた若者と毎日『本気』で対峙しているのです。きれいごとや理想論、机上の空論で成立するような世界ではありません。笑いも涙もあふれていますが、根底にはこの『本気の伝統』を理念の軸として活動しています。

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