蔵王いこいの里

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中高年引きこもりの当事者、関係者で悩むあなたへ【脱出法】

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中高年ひきこもりは、現在60万人を超えていると言われています。当事者の方は親がいなくなった後、どうすればいいのかという不安を抱えている方は少なくありません。また親御さんも、自身が高齢にさしかかり、今後どのように当事者を支えていけばいいのか、と悩んでいる方も多くいらっしゃいます。当事者、および親御さんの高齢化は、いわゆる8050問題といわれ社会課題となっています。本記事では、引きこもりの当事者や関係者に向けて、原因や解決策、相談先を紹介していきます。

中高年ひきこもり61万人の理由は?

2019年、内閣府は中高年ひきこもりの40歳〜64歳は全国で推定61万人いると発表しました。内閣府はひきこもりを、自室や家からほとんど出ない状態に加え、趣味の用事や近所のコンビニ以外に外出しない状態が6カ月以上続く場合と定義しています。なぜ中高年ひきこもりが61万人もいるのか、その理由を内閣府の調査をもとに見ていきましょう。

ひきこもりが長期化している

調査によると、ひきこもり状態が7年以上となる人が合計で5割、30年以上の人も6%いるとのことです。また、子供の頃からひきこもっていた人が中高年になった人のほか、定年退職をしてそのままひきこもりになったというケースがうかがえるとのことです。このようにひきこもりが長期化し、結果中高年ひきこもりになってしまうというケースが多いようです。

参考文献 日本経済新聞 中高年ひきこもり61万人 内閣府が初調査
参考文献 特集2 長期化するひきこもりの実態

就職氷河期世代

中高年引きこもりの多くは、就職氷河期世代に該当すると言われています。就職氷河期世代とは、1993年から2005年頃に大学を卒業した方たちを襲った戦後最大の就職難の時期を指します。2003年の大卒の就職率は約55%です。つまり、残りの約半数の人たちは大学を卒業しても就職できなかったことを意味します。その結果、就職できなかった人たちの多くがひきこもるようになった可能性があると言われています。

参考文献 yahooニュース 就活の平成史~売り手・氷河期・売り手のその先は:

中高年ひきこもりには支援が少ない

引きこもり支援では大抵支援対象の年齢が限定されていたり、公的な支援が受けずらい傾向があります。また、行政の支援も十分ではありません。厚生労働省の予算によると、高齢者向け予算は、3兆4,313億円、対して引きこもり向け予算は545億円となっています。また、当事者やご家族が相談をしなければ支援機関とつながることもできず、支援が行き届きづらい傾向があります。

中高年ひきこもりの実態

これまで中高年ひきこもりが多い理由をみてきました。ここからは、中高年ひきこもりの実態を詳しく見ていきましょう。

どうすればいいかわからなくなっている

中高年引きこもりの方の中には10年、20年と長期に引きこもっているという方も少なくありません。長年ひきこもりから、どうやって社会に復帰するか分からない。また、世間の目があるため、ひきこもっている事実が第三者に浮き彫りになるのが恥ずかしいという考えを持っている人も多く、こうした心理的葛藤から対応方法がわからなくなり、どうにも出来なくなっているという家庭は少なくありません。

8050問題に直面している

8050問題とは、80代の親が自宅にひきこもる50代の子どもの生活を支え、経済的にも精神的にも行き詰まる状態のことです。まだ親御さんがわかければ、親御さんが動けるうちにお子様を支援機関につなげ、自立をしてもらうということも可能です。しかし、親御さんの介護が始まり、その介護を子供がしなくてはいけないという状況になると、引きこもり当事者が社会と関わりを持つことはますまず困難になります。

中高年ひきこもりはもう手遅れ?対応策とは?

それでは、中高年ひきこもりに対してどのように対応していけばいいのでしょうか。具体的な対応策を見ていきましょう。

支援機関に相談する

1日でも早く、専門の支援機関に相談することが望ましいでしょう。また、1つの支援機関に相談して解決に至らなかったとしても、他の支援機関では対応が異なることもあるので、諦めずに複数の支援機関に相談しましょう。以下におすすめの支援機関を掲載します。

1.ひきこもり地域支援センター

各自治体のひきこもり支援センターです。市町村や民間団体でひきこもり支援に携わる支援者への後方支援を行っています。

2.自立支援施設MIRAI 

全寮制の自立支援施設のNPO法人です。生活・体質改善カリキュラムなどの6大カリキュラムがあり、一人ひとりに合わせて支援を進めています。30代40代の大人のひきこもりには自立支援プログラム・一人暮らしシュミレーションサービスを提供しています。年齢制限は設けておらず、住所は非公開にされています。

3.蔵王いこいの里 

山形県にある24時間365日対応の共同生活型自立支援施設です。本人の意向に合わせて、生活訓練、就労サポートを行います。主な支援対象は35歳までですが、年齢制限は設けていません。他の施設でうまくいかなかった方の受け入れも多く行っており、本人が必要であれば、精神科や福祉事業所と連携することが可能です。

4.NPO法人ニュースタート事務局 

千葉県で支援を行うNPO法人です。20代から50代まで受け入れ可能な共同生活寮を運営し、仕事体験や社会参加体験のサービスを提供しています。また、部屋から出るのが困難な方のために、レンタルお姉さん・お兄さんによる訪問活動を行ってます。訪問範囲は日本全国可能で、週1回ペースです。

仕事ではなく居場所を探す

当事者や関係者の多くが孤独を感じていることでしょう。そこで、当事者や関係者が孤立しないための居場所を提案します。当事者は、是非利用を検討してみてください。また、関係者は可能であれば当事者に利用を勧めてみてください。

1.家族会に出てみる

特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会 のサイトには、ひきこもり当事者やご家族が参加できる家族会の情報が掲載されています。こういった場所に出向き、他の当事者や関係者と交流を持つことで当事者、関係者を孤立から防ぎ、勇気づけることが期待できます。

2.SNSやチャットで悩みなどを相談する

いきなり人と会って交流するのが難しい場合はまもろうよ こころのようなサイトを通じてSNSやチャットで悩みを打ち明けるのもいいでしょう。SNS上にも、当事者、関係者の居場所は存在します。

3.図書館に行ってみる

また、誰とも関わりたくない、一人で落ち着ける場所を探したいと思うひきこもり当事者には、図書館に行くことをおすすめします。図書館は誰がどれだけ利用しても、とがめられることはありませんし、静かでとても落ち着ける空間です。外へ出かけるリハビリにもおすすめの場所です。

まとめ

この記事では、中高年ひきこもりの現状と中高年ひきこもり・その関係者におすすめの支援機関と居場所を紹介してきました。もし今自身が中高年ひきこもりの当事者だったり、ご家族であるという方は、大変苦しい思いをされているかもしれません。しかし、適切な支援機関と繋がったり、周りとの助けをえながら、問題を解決したり、また現状の中でも幸せに暮らしている方も沢山いらっしゃいます。本記事を参考に、良い生き方を見つけていただけたら幸いです。

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