蔵王いこいの里

\ 身内だけで悩まず、まず相談を /

ニートの息子さんを持ち、悩んでいるあなたへ【対応方法】

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著者情報:蔵王いこいの里編集部
引きこもりやニートといった方々を対象に、共同生活型の支援を行っている蔵王いこいの里スタッフが執筆しています。蔵王いこいの里は30年を超える支援経験があり、これまで850名を超える方を自立に導き、送りだして来ました。家庭ではどうすることも出来ない。そんな親御さんや当事者さんからの多くのご依頼を受けてきた、いわば引きこもり支援のスペシャリストです。

今この記事を読んでいるあなたは、息子さんがニートに育ったのは自分のせいだと自分を責めたり、息子さんに怒りを持っていたり、悲しんでいるかもしれません。息子さんの将来のことを考えると不安に押しつぶされそうになっているかもしれません。ご近所や周りの目が気になり、誰にも相談できずにいるという方も多いのではないでしょうか。

そこでまずお伝えしたいことは、ご自身を決して責めないでいただきたいということです。世の中にはあなたと同じような悩みを抱えていらっしゃる方が沢山いらっしゃります。また、その問題を解決したいと考えている沢山の人がいます。

本記事では、ニートの息子さんを持ち悩んでいる方について、これまで引きこもりの方に接してきた実体験から、その対応方法をまとめました。今は本当にどうすればいいかわからないという状況だと思いますが、ぜひ本記事を参考に、今後の見通しを持っていただけたらと思います。

ニートの息子さんへおすすめの対応方法5選

ニートの息子さんを持っている親御さんの悩みは、どう対応していけばいいのか。親としてどんな行動をとっていけばいいのかということだと思います。

ここでは、我々の豊富な経験や関係者への聞き込みから、息子さんとのおすすめの接し方をまとめました。もちろん、ご家庭の状況によって対応は様々になるかと思いますので、選択肢の一つとして参考にしていただけたら幸いです。

1.第三者、支援機関に相談する

家族の問題は、実は家族の中だけでは関係が固定化してしまって、家族だけでは解決が難しい場合があります。また、親御さん自身も、息子さん自身も、自分でどう動けばいいのかがわからなくなっているというケースも珍しくありません。家庭内暴力があり、息子さんが怖いというご家庭もあるのではないでしょうか。

そんな時に頼って欲しいのが様々な第三者機関や支援機関です。地域の福祉課に相談にいけば、様々な支援機関を相談してくれるはずです。子供のことを外に持ち込むのは恥ずかしい、そんな気持ちがあるかもしれませんが、勇気のある一歩が必ず道を切り開きます。まずは地域の福祉課を訪ねてみるといいでしょう。

2.見守る(観察する)

息子さんがニートであることで、多くの親御さんは焦りを感じてしまうかと思います。ついつい口を出したくなってしまうという気持ちが湧くかと思いますが、こちらから働きかける前に、まずじっくりと見守ってあげる気持ちを持ちましょう。

そして、出来るだけ息子さんの行動を観察し、無理ない形で接点を持っていける場所を探していくといいでしょう。何が好きか、嫌いか。生活習慣はどうなっているのかなどなど。息子さんにとっては、親というのは唯一頼れる存在です。だからこそ、まずは一番の理解者であろうという気持ちで接することが大切です。

ニートや引きこもりからの回復の過程は実に様々です。ですが共通しているのは、どなたも安心できる環境から一歩ずつ踏み出していくという点です。息子さん踏み出そうと思った時に支えてあげられるように、とにかく安心できる環境作りを心がけましょう。

3.引きこもりの家族会に出てみる

息子さんがニートをしていると、他のご家庭の親御さんと共通の話題を持つことができずに、孤独を感じてしまいます。孤独を少しでも解消するために、引きこもりの家族会に参加してみて、他の当事者家族と交流を持ってみましょう。

悩んでいるのは自分達だけではないと思えるはずです。KHJ全国ひきこもり家族会連合会では、引きこもっている本人のみならず、家族(親や兄弟)も孤立感を抱えて悩みを抱えている当事者として一緒に活動しているとのことです。同じ境遇の方と交流を持ちたい場合は是非見てみてください。

4.家計の把握をする

息子さんがニートになっている場合、多くの親御さんが気にするのが、自分が亡くなった後のことです。果たして息子は本当に暮らしていけるのか、生活はどうなるのか。そんなご相談を受けることも少なくありません。

そこで行って欲しいので、家計の状況の把握です。もし親御さんがなくなったら、資産がどれくらい残るのか、またどの程度生活していけるのかを把握することで、あらかじめ対策を考えることが出来ます。心境として、将来のことは考えたくないという親御さんもいるかもしれませんが、様々な状況への対処を考えておくことは、ご家族を守ることにもつながります。自身だけで考えるのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの力を借りてもいいでしょう。

5.期間に応じて対応を変える

息子さんへの対応について、引きこもりやニートである期間に応じて、対応を変えていくことも大切です。2~3年であれば、一時のことと考えられるでしょうか、5年、10年と超えている場合は、金銭的な援助などは出来るだけ控え、本人の自立意識を促すようにした方がいいでしょう。

一定度期間が経過しても、本人に変化が見られない場合は、ボランティアだったり、当事者会、ハローワークや行政機関への紹介など、本人にもきっかけを与えるようにしてあげるといいでしょう。中には好きなアーティストのライブをきっかけに引きこもりから抜け出せたという方もいます。こちらがいくら焦っても、最後は本人の回復力が大事ですが、いつまでも親に頼れる環境にあることが、本人の自立の妨げになるようではいけません。見守りつつも、選択肢を提供する姿勢を忘れないようにしましょう。

ニートの息子さんのおすすめの相談先

ニートの息子さんのことを相談したいと思っても、結局のところどこに相談すればいいのかわからない。そんな思いを持っている方も多いと思います。そこで、本記事では、息子さんの相談先をご紹介します。

行政の相談先

行政では、各自治体が引きこもり支援の様々な相談先を用意しています。ハードルが高いと感じるかもしれませんが、まずは話を聞いてもらう形でも結構ですので、相談してみましょう。

1.子ども・若者総合相談センター

子ども・若者総合相談センターは都道府県等各自治体レベルで設置されている相談センターで、複雑多岐にわたる子ども・若者の問題に対応しています。たらい回しを極力無くし、ワンストップで問題解決・支援にあたることを目標にしています。

子ども・若者総合相談センター

2.サポステ

サポステ(地域若者サポートステーション)は、働くことに困難がある15歳から49歳までの方に向けた就労支援を行っている機関で、厚生労働省が委託した全国のNPO法人、民間企業などが運営しています。就労に関する相談・面談や就労体験、面接指導など、就労に向けた総合的な支援を障害の有無に関わらずに行っています。

サポステ

3.ジョブカフェ        

ジョブカフェは、若年者を対象に職業紹介のほか適正診断・職業訓練・職場体験など、就職に向けての支援を一括して行う事業および機関で、都道府県が主体となり、官庁と民間が協力して運営しています。現在、46の都道府県が設置しており、全国各地で無料相談を受け付けています。

ジョブカフェ

民間の相談先

民間でも引きこもり支援を行っている団体は多数あります。行政と違い収益を重視する面もありますが、その分個別的なサービスが受けられます。

1.就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、様々な就労に向けての訓練を行っています。いきなり働くのはハードルが高いという場合は、まずは就労移行支援施設に通い、仕事への準備をしてみるといいでしょう。ネットなどで検索すれば、様々な事業所を探すことができます。

2.自立生活訓練

自立生活訓練施設は、就労よりまずは生活リズムを整えたり、生活に重点を置いた施設となっています。就労をゴールにするより、まずはしっかりと生活を送っていく力を養いたいという場合は、自立生活訓練施設がお勧めです。

3.共同生活型施設

共同生活型施設は、文字通り施設の中で生活するタイプの施設です。家庭から離れ、共同生活を送ることで、自然と生活環境が整います。また家庭とは全く違った環境で過ごすため、息子さん自身に大きな変化が起こることに期待できます。家庭で色々やってみたけれど、改善が難しいという場合は、共同生活型の施設がお勧めです。

まとめ

この記事では息子さんへの具体的な対応方法と、おすすめの相談機関を紹介してきました。息子さんも、親御さんも、非常に苦しい時期を過ごしていらっしゃるかと思いますが、必ず抜け出すことは出来ます。ただし、その方法は様々ですし、時間がかかります。ですが、焦らないことです。大切なことは、変化していくことを怖がらず、諦めないことです。

ゆっくりでも向かっていれば、必ずたどり着くことが出来ると思いますから、どうか希望をもって毎日を過ごされてくださいね。本記事で紹介した対処法も活用してもらえたらと思います。

当団体「蔵王いこいの里」では、これまで30年間の支援実績があり850名の方の卒業を見送ってきました。引きこもりは長期化すればするほど、解決も難しくなってきます。もし今息子さんとの付き合い方で悩んでいる、家族だけでは解決できないという場合は、ぜひ一度ご相談下さい。経験豊富なスタッフがあなたの悩みに寄り添います。

最後に、蔵王いこいの里に寄せられたメッセージを紹介いたします。

 2003年卒寮 北陸出身男性 26歳で入寮後約1年在籍 2011年夏・本人からのお手紙


 東日本大震災は大丈夫でしたでしょうか??私の地元は大丈夫でした。もともと人と話をするのが苦手だった私が、某企業に就職。徐々に仕事に行くのが苦痛になりました。

 休みがちになり、部屋に引きこもるようになりました。包丁を持ち暴れたところに警察が来て病院へ入院。退院後はいこいの里へ入寮となりました。

 いこいの里での生活は、とても勉強しやすい所でした。ラ・フランスの収穫やサクランボ狩り。山菜採りやミズ採り・イワダラや畑仕事など自然も豊かで居心地が良かったと思います。危険物取扱も取得しました。また、スキーのバッヂテスト2級も取得できました。釣りにも行き卓球大会も燃えました。どの作業も行事も新鮮で大切な思い出です。

 いこいの里を卒寮し、今は引きこもりではなく何とか生活は出来ています。これからも不安なことはたくさんありますが、母親と一緒に頑張っています。また機会があれば、里で作業がしてみたいと思っています。岩川先生もお身体を大切にし、また会える事を楽しみにしています。貴重な経験をさせて頂いた1年間、本当にありがとうございました。

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