4ヶ月間の空白期間へプレイバックします。
4月下旬のこと。
2月一杯でいこいの里を卒寮し、山形市内の建設会社で引き続き正社員として仕事を継続する事になった卒寮生の送別会を、改めてこの日に実施いたしました。
2月は色々と事業や作業がバタバタと立て込んでまともに送り出す時間がなかったので、少々落ち着いたこの時期に本人に来てもらった訳です。本人は『別にイイっすよ~』なんて遠慮してましたけど、結構長い期間里と関わってきましたし、これからも地元関西からは遠く離れたこの山形の地で生活していく訳ですから・・・。
何と言うか、一応一つの節目、区切りのケジメとしてやってあげたかったですし、今後も何かと少なからず我々と関わりを持ち続けた方が本人の為でもありますし、あとはやはりこうして立派に職を得て継続した自立が出来ている人の『実体験からの言葉』を他の寮生達に送って欲しかったんです。これから自立を目指す彼らにとっては、これ以上ない『生きた教材』ですからね。
彼は職場でも非常に信頼され重宝される存在。
昨年少々体調を崩して長期間休んだ際も、これまでの事情も考慮してくれて復帰を待っててくれました。
とは言え、
適当な仕事しか出来ないチャランポランな者、
指示内容が理解、実行出来ない能力不足な者、
指示にいちいち反発する心の幼いおバカさん、
朝の挨拶すらできない礼儀知らずの非常識人間、
平気で時間や約束を破る信頼できない自堕落な者、
もし彼がこのどれか一つにでも当てはまるような人間であったなら、要するに会社にとって必要と思えない者ならば、いくらいこいの里の寮生といえども雇い続けてくれるものではありません。ホントにコレは彼の誠実な人柄と、普段の仕事に対する姿勢があったからこそですね。
彼に『卒寮生として後輩たちに何かアドバイスを』と求めたところ、
次のような言葉を発してくれました。
『ここ(里)でやっている事は、当番でも作業でも日常の生活規則でも、実際にやっている時は無駄な事のように感じるものが多いけど、いざ自立して社会人として仕事して一人暮らしをしてみると、もっと真面目にやっておけばよかった、コレをやっていて良かった、と思えるモノばかり。たぶん無駄になっている事は何一つないと思う。だからみんなも今の自分の役割ややるべき事をしっかりとこなして、里の人達(スタッフの事)の言う事を聞いていれば大丈夫だと思いますので頑張ってください。』
だってさ!
卒寮してそれなりに良い形で推移している卒寮生達は、まずほぼ全員異口同音に口をそろえて同じような事を言ってくれます。
私達スタッフにとっても、これ以上ない最高に嬉しい言葉ですし、
コレが言えるまでの経験と広い視野を持てるレベルまでにようやく到達できたんだなぁ~・・・、
と、彼らの成長に安堵するのです。
学生は当面の目標が彼らとは違いますが、まぁ『心の成長』という意味では求められているものは成人達と大して変わりません。
やるべき事が少し違うだけで、
『それを実行するのか、実行しないのか』
という点では全く同じですね。
出来るのか
出来ないのか
の選択ではなく、
やるのか
やらないのか
の二択に過ぎないのです、現実社会は。
結局、世の中で生きていくために必要とされる事って、
大人でも中高生でも大差ないんです。
今の所私が知る限り、
我々が太鼓判を押して送り出した卒寮生で、
不登校引きこもりニートが再発した者はいません。
結構みな力強く生きてます。
その為には、根っこから人間としての力を強く鍛えていかないと無理ですヨ。
それが『付け焼刃ではない根本的解決』という言葉の意味です。
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