蔵王いこいの里

意欲が持てるうちに

6月9日、さくらんぼ果樹園お手伝いの日です。



見ての通り、観光果樹園ですから、お客様が来た際に商品を販売する為のスペースにテントを設営している所です。

1・自ら積極的に動いて周囲を先導していける寮生
2・積極的に動いているが要領が悪くイマイチ動きがトンチンカンな寮生
3・動こうという気持ちはあるがどう動いたら良いかわからず動けない寮生
4・指示されても初めから動こうとすらしない寮生・・・

里での日々の作業においては、概ねこのように分かれるのが日常です。

コレは行動面だけの話になりますので、心理や情緒面、知識や道徳面はさておき、取り敢えず行動面において社会に出て通用するのは当然『1』だけです。1のレベルにまで到達する為に必要な要素、それはやはり
理解力
判断力
行動力
意欲
それに、それぞれの作業の『経験』。実はこの『経験』が非常に大きな要素でもあります。

彼らの中で1のレベルで動けている寮生は、同様の作業を何度も経験している者ばかり。要領良く高い理解力を持った者も稀に出現しますが、そういう子は1回見るか実践すれば大概掴めます。
しかし歴代ほとんどの寮生達は、みんな初めは2や3の状態だったのです。特別高い理解力や判断力を持っている訳ではありません。

やった事ないし
見た事もないし
教えられた事もないし・・・
だから初めは出来なくて当たり前なんです。

そこから差が出るのは、まず意欲ですが、それ以外にはやはり吸収する力、スピード・・・、結局は理解力ですね。でも仮にそれが周囲から相対的に劣るのであれば、同じ経験を他人よりも数多く経験する、何度も何度も覚えるまで実践する、コレしかないでしょう。まぁ勉強だって同じですよね。

一度見たり聞いたりしただけで脳裏に深くインプットできる天才的な人もいれば、何度聞いても見ても書いてもナカナカ記憶できない人も世の中にはいるのです。この力の差はもうどうしようもない事。でも覚えたり理解する事だけが人の能力でもなければ唯一無二の価値でもありません。やる気があればある程度の事はカバーできます。だから勉強なら予習復習であり、スポーツなら練習の繰り返しであり、仕事ならその作業や工程の経験を積み上げる事が大切になるのです。

かつての寮生で、IQも平均よりは相当低く、結構重度のアスペルガーとLDを抱えていて、精神科医から『一般的な仕事を得て通常の社会生活を送る事は無理です』と断言された者がいましたけど、本人が『自立したい』という人一倍強い意志を持ち続けて努力した結果、本当にそれが叶ったような例もありますからね。結局最後は気持ち、意欲の有無、程度でほぼ決まると言えるでしょう。

そんな現実を踏まえて考えるならば、この現代において引きこもりやニートが増え続けるのは、ある意味当然の現象だと思うのです。とりわけ物質的に、豊かで便利で満たされた環境が当たり前の時代に成長してきた若者にとって、ハングリー精神とか下剋上(大げさか?)とか、根気強さや我慢強さ、強い意志を身に付ける機会なんて殆ど恵まれないまま大人になれてしまうのですから。幸せな様で、実はとても不幸な事だと私は思います。


でも里の様な共同生活の中に居ると、家族以外の、特に同年代の若者に触発されたり知らなかった(けど世間では当たり前の)価値観に触れたりしながら、時に羞恥を感じたり時に励まされたりしながら徐々に気持ちが変わっていき、忍耐力や粘り強さ、意欲や前向きな気持ちを持てるような思考パターンが身に付いてくるのです、たいていは。なかなかそう一筋縄でいかない寮生もいますけどね。

小学校や中学校の早い段階から不登校でそのまま何もせず成人した
長期(3~5年以上)に亘って引きこもり続けてきた
何か月も精神科に入院してお客様扱いに慣れてしまった

こうなると、社会へ一人立ち出来る様になるまでにはナカナカしんどい事になります。まずもう自分の力で生きていこうという意志を持つことが難しくなりますから。ほぼ現実逃避一直線ですね。
これに妄想、狂言、暴言、暴力が多くなってきたらそれはもう立派な危険信号。統合失調症に足を踏み込んでいる可能性も高いです。

早期発見、早期対応。
いつもの事ですが、やはり最後はコレに尽きます。 

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